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カスタマーサクセスとは ~SaaSビジネスの成功のカギ~

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企業が顧客に対して商品・サービスを、月単位・年単位の定額利用料で提供するサブスクリプションモデルのサービスが急激に増えています。特に、その発祥であるIT業界では「SaaSビジネス」として特に広がりを見せています。

しかし、SaaSビジネスに代表されるIT業界のサブスクリプションモデルは、今までのIT業界における収益モデルとは大きく変わります。SIモデル/パッケージ型モデルのように、受注・構築・納品したタイミングで、一気に売り上げと利益が計上されるビジネスモデルから、SaaSビジネスにおいては「サービスを利用し続けてもらう」ことで、先行して投下したコストを回収し続けていきます。

本記事では、このSaaSビジネスの成功のカギである「カスタマーサクセス」について、そのポイントをご紹介します。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、日本語に直訳すると「顧客の成功」です。カスタマーサポートと混同されることも多いですが、カスタマーサクセスは顧客を成功に導くことが目的となるため、アクション起点は顧客ではなくサービス提供側であり能動的です。

例えば企業にて月額課金型で提供するSaaSビジネスを提供している企業であれば、契約開始はゴールではなくスタートになります。契約後にどのようにフォローし、顧客満足度を向上させ、長く利用し続けてもらうことが重要となります。これができなければ、顧客はそのサービスをうまく活用できず、継続する必要性をなくし、解約に繋がって、サービス提供ベンダーは利益を回収できなくなります。

そのため、提供するSaaSを通じて顧客の課題を解決していくことが重要なポイントです。顧客に寄り添い、伴走することで成功体験のプランニングを実施するのがカスタマーサクセスです。

IT業界における今までの定額支払い

IT業界においては、今ままでも定額で、毎年費用を払い続けるビジネスモデルは存在しており、今でも多くのパッケージ型モデルで継続されています。
保守料、サポートサービス料、技術サービス料など、その名前は提供する企業によって様々ですが、購入したパッケージソフトウェアの金額の数パーセントから十数パーセントを毎年支払い続けているケースは非常に多くあります。(この後は保守料という名前で記載していきます)

毎年、一定額の保守料を支払い続けることで受けられるカスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いは何が違うのでしょうか?

企業において利用されるITシステムはバグがあって当たり前と言われ、それはITベンダーが提供するパッケージソフトウェアも同じです。保守料を支払うことで受けられるカスタマーサポートは、このバグに起因する障害が発生したときに、提供ベンダーのサポートを受けられるという、言わば「保険」のようなものです。
ITシステムは、企業の基幹システムに利用されることが中心だったため、万が一にもそのサービスが長期間使えなくなることは避けねばなりません。企業はこの「保険」のために一定額の保守料を支払ってきました。

顧客から保険料として回収している保守料において、障害発生時の対応や問い合わせ対応に時間をかけることは、提供ベンダーにとってはコストでしかなく、カスタマーサポートは長く「コストセンター」とされています。これが長い間のITビジネスにおけるトレンドでした。

SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスの重要性

時代は変わり、ITは企業における基幹システムだけではなく、ビジネスチャンスを産み出すための武器となっています。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が起こり、ITがビジネスの差別化・最大化に大きく貢献し、またはITそのものがビジネスになる時代になっています。

このDXの時代においては、基幹システムと同じように一度パッケージを購入して、その機能を5年・10年と利用することは、変化のスピードについていくことができなくなります。

このトレンドにおいて、毎月・毎年に一定額の利用料を支払い、常に最新の機能・サービスを受けられるSaaSが流行となることは、必然と言えるでしょう。
また、安定性・安全性・信頼性が求められる基幹システムとは異なり、SaaSに期待されることは、付加価値や費用対効果を最大限に引き出すことです。
月間・年間での契約形態であることもあり、顧客はより効果のあるサービスを探し求め、効果のないサービスはどんどん解約し、新しいサービスへの切り替えを行います。

SaaSを提供するベンダーにとって、このサービスの解約、サービスの切り替えを避けるために重要なことこそ「カスタマーサクセス」です。 

SaaSビジネスの収益構造

ここで、SaaSビジネスの収益構造をおさらいしましょう。
サブスクリプションモデルであるSaaSビジネスの特徴として、売り上げが成約した段階では上がらないというものがあります。以下にSaaSビジネスの売上モデルの図を記載します。

図 1 SaaSビジネスの売上モデル図 1 SaaSビジネスの売上モデル

※CAC…Customer Acquisition Cost。1顧客を獲得するために必要なコスト
※LTV…Life Time Value。顧客が契約してから解約するまでにもたらしてくれる収益

① ~②のリードを獲得してから、成約までの期間は営業コストがかかる期間となります成約に至ればその後、②~③のコストを回収していきます。
成約時に大きく数字が上がりコストを一気に回収するSIモデル/パッケージ型モデルとは異なり、成約以降、利用をし続けてもらうことで毎月・毎年に決まった金額の売り上げが上がるようになります。つまり、損益分岐するまでに利用を停止されてしまうと、販売にかかったコストは回収出来ずに、赤字となってしまいます。

一般的にSaaSビジネスではCAC(営業コスト)はLTV(売上)の3割程度まではかけても問題ないという指標がありますが、SaaSビジネスで成功を収めるためには、LTVを最大化させていくことで、CACにかけられるコストを増やし、より多くの顧客を獲得していくというサイクルに乗せることが重要な課題になりますこの収益構造の視点からも、SaaSを利用し続けてもらう「カスタマーサクセス」は非常に重要となります。

カスタマーサクセスの成功のカギ

上記の理由から、SaaSビジネスの成功を目指す中で、最も大きくな変革が求められるのは、これまでコストセンターとされてきた顧客サポートの領域です。

今までの、受け身的な「カスタマーサポート」ではなく、顧客を成功に導くためのプロアクティブな活動をする「カスタマーサクセス」の活動が重要となります。顧客と一緒になって“優れた顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)”を作り出し、サービスの利用を継続してもらうことが必須となります。KPIも、サポート業務で重視された時間ではなく、解約率(Churn Rate)や、アップセルやクロスセルなどを取り入れることが重要でしょう。

コスト削減ではなく、売り上げ・利益の増加を目指す「プロフィットセンター」になるこを目指します。SaaSビジネスでは顧客の特性・属性を容易に把握が可能で、顧客と直接コミュニケーションをとることも比較的簡単に実現できます。顧客から得られた情報をサービス改善や新しいサービスの提供につなげることも可能です。
また、データやAIの活用により、個々の顧客の特性・属性にあわせた機能・サービスのレコメンドもできます。

またSaaSの特性や機能だけでなく、「カスタマーサクセス」として能動的に顧客にアプローチし、サービスの利用を促進することも重要です。サービス利用のハードルを下げるためのコンテンツ整備、効果のでた事例の横手展開、ユーザコミュニティを作ることにより、ユーザ同士の情報交換、サービス利用の定着化を図るために、他サービスと連携を提案をするエコシステムの構築など、「カスタマーサクセス」で実施すべきこと数多くあり、その全てがSaaSの利用の継続につながる「カギ」と言えるでしょう。

まとめ

SaaSビジネスは、過去の定額支払いモデル(定期購読料、賃貸、レンタル、リース)やパッケージソフトウェアの保守料のモデルと違い、得られる情報が圧倒的に多くなります。

その情報を集積し、分析し、カスタマーサクセスで活用することにより、サービス改善や新サービスの提供につなげていくことができます。
カスタマーサクセスを成功に導くための絶対的なフレームワークは確率されていませんが、ITサービスであるSaaSビジネスにおいてはITILのフレームワークを活用することが有用です。また徐々にではありますが、カスタマーサクセスを成功に導くためのサービス(これもSaaS)も登場してきています。

SaaSビジネスやサブスクリプションモデルのサービスが主流になっていく今こそ、カスタマーサクセスの充実のための体制つくり、プロセスの構築、ツールの活用が重要になってくるでしょう。

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