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ITサービスの品質を向上する問題管理

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今回は「問題管理」プロセスの入門編について書こうと思います。
問題管理プロセスというのは、インシデント管理プロセスと同じようなもののように思われそうですが、実際にはその内容が大きく異なります。 

インシデント管理では、サービスで障害が発生してから正常な状態までどれだけ迅速に回復させることができるかということに焦点を当てており、これに対し問題管理では、その障害の根本原因を特定し解決方法を提供して、完全にその障害の原因を取り除くことを目的としています。

また、普通はインシデント管理プロセスよりエスカレーションされてから、それが既知のエラーなのかどうか、または、未知の問題であった場合にその根本原因が何なのかを調査することが主な活動(リアクティブ)になりますが、インシデントの傾向を分析して、将来の発生を未然に防ぐという活動(プロアクティブ)も、問題管理の中に含まれています。

事後対応の問題管理の活動として、だいたい以下のようなものがあります。

1) 情報の収集と記録
ここでは、なるべく詳細な情報を取得する必要があります。これには、以下のような情報が含まれるでしょう。

  ・事象の詳細
  ・ログなどの記録
  ・構成情報
  ・回避策の有無
  ・障害発生前に行った変更
ここで、解決のために有効な情報がどれだけ取得できるかが重要になります。また、インシデント管理プロセスと問題管理プロセスとの連携がうまくいっていないと、問題管理へのエスカレーションも有効に機能しないでしょう。

2) 問題の分類と優先度の設定
収集した情報から、問題を分類して優先度を設定します。分類と優先度の設定方法は、インシデント管理プロセスと同様になります。

3) 問題の診断と調査
ここでは、収集した情報をもとに問題の切り分けを行い、問題が発生している部分を特定します。また、過去に類似の問題が発生していないか確認を行います。

以下の点について考慮する必要があるでしょう。
  ・解決までの期間の見積もりやタイムリミット
  ・コストはどれくらいか
  ・部署間の連携は必要か(メーカーやパートナーなどとも連携する場合があります)
  ・影響の範囲がどれくらいあるか
  ・システムを復旧できるか、どこまで復旧することが可能か

 4) 問題の解決とクローズ
問題の根本原因を取り除くための解決策を確認します。パッチ適用などのプログラムへの変更がある場合には、変更管理プロセスにエスカレーションします。問題が発生した環境で、問題が解決したことを確認したら、問題をクローズします。
 
その他の問題管理の活動としては、問題解決の進捗の確認や、解決した問題のレビューなどがあります。
そして、問題管理プロセスを導入したときの効果には、以下のようなものがあるでしょう。その結果として、ITサービスの品質向上が期待されるでしょう。
  ・障害の再発防止
  ・ノウハウやFAQの蓄積
  ・サービスデスク内での自己解決率の増加
  ・インシデント件数の減少 
 

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