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基幹系システムと基幹システムの違いとは?情報系システムとは?

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先日、とある経営者と懇談(決して密ではない1対1の環境です。)していた時に、経済産業省による「DXレポート」で言及された「2025年の崖」についてこんなコメントがありました。

最近ならサブスクとかクラウドとか、ちょっと前はビッグデータやAIのように、ITベンダーが何かとバズワードをこしらえては新しいシステムを買え買えと言ってくるのには慣れっこになってたけど、ついにお役所までもが業界と結託して、ERP入れ替えろ入れ替えろと言ってくる日が来るとは、想像さえしていませんでしたよ。(両者苦笑)

IT業界側の小職としても苦笑いするしかない辛辣なコメントではありましたが、せっかくの議論を冷静に進める意味でもこんなコメントをお返ししました。

おっしゃる通り、ニュース媒体を含めて中身をよく調べもせずに手軽なバズワードにすぐ乗っかる、下手をすればフェイクニュースを拡散してしまうかのような風潮は、まさしく「パンツをはいたサル」と言われても致し方ないところはあるでしょうね。

でも、いわゆる広報宣伝の分野がそうであるように、”必要とするであろう人が知らないはずの情報を届ける”という意味では、官民どちらかの責任という話しではなく、知見を持った人が直接啓蒙した方が説得力が増すと思いませんか?

例えば今回のコロナだって、大臣や知事のような政治サイドからのアプローチだけではなく、科学者や研究者からもアプローチした方が、聞く側の私たちにも納得感が生まれるのと一緒じゃないですか。

そこは熟練の経営者、すぐに新たなお題が示されてしまいました。

わかった、わかった。穿った見方の話しですまん、すまん。

ついでに教えて欲しいんだけど、結局、ERPって何のこと?

いつも脳ミソが高速回転している経営者レベルになると、話しの展開が早いこと早いこと。 

目の前にいるのがIT業界側の人間であることから、ここぞとばかりに知識習得に進められるあたりは、亡き父がよく言っていたことわざを思い出したのでした。

”立ってるものは親でも使え”(Need makes the old wife trot.)

本記事では、IT業界に籍を置く私たちでさえ実はハッキリと自覚していないと思われるERP:基幹系システムを、その対抗にある情報系システムとの区分から定義しつつ、見方によっては誤用されていると言わざるを得ない”基幹システム”についても考察してみたいと思います。

まず、基幹系システムと情報系システムという”系統”の違いとは?

先ほどの経営者からの問い「ERPって何のこと?」に答えるためPCの画面でご覧いただいたのが、いつもWaha! Transformer の製品サイトや提案資料などで使っている下の図です。

この図自体は、お客様から「データ活用」に関するご相談をいただいた際に、社内ネットワーク上のどこにどのようなデータがあるかを捜索する時のガイドマップという位置付けで利用しているものです。

今回のような基幹系システムと情報系システムの違いをパッと見てご理解いただくのに役立つと思いますので、IT関連職種の新入社員研修などでお使いになりたい場合は、Waha! Transformer 製品サイトの「お問い合わせ」フォームからその旨お申し出いただければ、組織内での利用に限ってコピペしていただいて構いません。

ERP:基幹系システムとは

一般的にERP:基幹系システムとは、図の上段にある「財務会計」、「販売管理」、「人事給与」、「生産管理」のように、呼び名は違うことはあるものの機能的にはほぼこの4つの業務アプリケーションを総称しているであろうことがお分かりいただけると思います。

分かりやすい例として、「統合ERPパッケージ」と銘打ってテレビCMなどでもおなじみの奉行シリーズを見てみると、下記のような製品群で中堅・中小企業向けに基幹系のソフトウェアパッケージを展開されてきたことがわかります。

  • 勘定奉行®:財務会計
  • 商奉行®:販売管理
  • 給与奉行®:人事給与
  • 蔵奉行®:仕入・在庫管理(生産管理ではない)

基本的にはお金と人手が関与する一定規模以上の組織であればほぼ必ず必要になってくる業務アプリケーション群とも言えるでしょう。

例えば官公庁や公共団体のように、税金で運営される組織に財務会計システムは不要でないかと思われる方がいるかもしれません。しかしながら、予算・決算があって職員の出張旅費精算ももちろんある、すなわちお金の出入りを管理する以上は会計システムが必要になるでしょうし、もし剰余金が運用できるのであれば財務システムが存在するかもしれません。

そしてもちろん、教育機関や医療機関などの公益法人も含め、人に給与を支払って仕事をしてもらう組織であれば、源泉徴収や労働3保険のような日本では共通の給与計算機能が組み込まれた人事給与システムが必要であることもお分かりいただけるでしょう。 

販売管理については、売掛金が発生しない事業ではPOSなどに代替されていたり、生産管理については仕入れ・在庫や製造工程のない事業では不要だったりと言えます。例えばユニリタのようなソフトウェアメーカーであれば、業務アプリケーション開発に従事するスタッフの稼働管理システムが代替するなど、規模の大小によってはサブシステムとなって呼び名が変わることはありますが、事業会社であれば大なり小なり稼動しているであろう標準的な業務アプリケーション群であることは確かでしょう。

この基幹系システムの大きな特徴としては、ビジネスプロセスや商習慣の基本的なところには世界標準:グローバル・スタンダードがあることから、もっとも端的に標準化~機械化~自動化というITの役割を形にしている分野とも言えますし、定型のデータベース(ハコ)を定量的(数値データ)に更新していく仕組みであるとも言えそうです。

このような基幹系システムの生い立ちを振り返ってみれば、ビジネスプロセスにおけるコンピューター化・IT化がメインフレームやオフコンから浸透し始めた日本では、まず最低でも財務会計、平行もしくは次の一手として人事給与システムの稼動を開始した事業が少なくないでしょう。

そんな時代を経て、オープン化・ダウンサイジングと同時に登場したERP:Enterprise Resource Planningという概念はその名の通り、経営資源の「ヒト・モノ・カネ」に関するデータを統合管理するアプリケーションとして広まってきました。

情報系システムとは?

先進国の市場が成長期から成熟期に移行したことで複雑さや不確実性が増したことから、経営資源が3つから4つに増えて「ヒト・モノ・カネ+情報」と言われはじめた90年代以降、前図の下段で示した情報系システムが加わり、それまでは「EDP:電算システム部」と呼ばれていた企業内IT部門が「IS:情報システム部」のように呼び名が変わるようになったのもこの頃でした。

中でも代表的なグループウェアには、E-mailやグループスケジューラー、掲示板やEIP:Enterprise Information Portalなどが含まれ、「情報流通(コミュニケーション)」手段として一気に広まり現在に至っています。

注意が必要なのは中段にあるツール群でして、上段にある基幹系システムの拡張機能としてアドオン開発されることが多かったことから、サブシステムという位置付けになっていることが多いものを列挙しています。ところが、左端の「BI・DWH」や「POS/EC」、右端の「IoT/RPA」や「EDI」など、業務アプリケーションとしての位置付けは情報系であっても、取扱っているデータのほとんどが基幹系システムのものであることが多いため、基幹系と情報系のどちらとも言えるしどちらでもないという、TPOによって位置付けが変わってくる異質なツールと言えるでしょう。

基幹系システムと基幹システムとの違いとは?

基幹系と情報系という”系統”の違いについて腹落ちしていただいたら、いよいよ”基幹系システム”と”基幹システム”というパッと見ただけでは見落としてしまいそうなビジネス用語の違いです。そもそもの分類軸が大きく異なりそうなコトバの使い方について考察してみましょう。 

御社の基幹システムがExcelになっていませんか?

基幹システムとは、事業を支える仕組みのことであってコンピューターの中に留まるものではない

お時間のない皆さんのためにも、結論から先にお伝えしました。

前述した通り、基幹系システムとは官公庁や公共団体、教育機関や医療機関など、形態を問わずにどんな組織でも一定の規模になれば「ヒト・モノ・カネ」を管理するために必要な業務アプリケーション群を指していることがお分かりいただけたかと思います。

一方の基幹システムとはその名の通り、「事業を根幹から支える仕組み」のことであり、コンピューターやデータベースには格納されていないような制度や規程類、マニュアル・手順書、口頭伝承されているようなノウハウのようなものまで含まれているはずです。

そこで皆さんに一つ質問です。

NASA:National Aeronautics and Space Administration(アメリカ航空宇宙局)の基幹システムとは、どんなものだと思いますか?

NASAの基幹システムはどんなものだと思いますか?

筆者が子供の頃から見聞きしているNASAの外形からは「ロケットを飛ばす役所」にしか見えなかったわけですが、リンク先のWikipediaを見ると「(平和利用に向けた)宇宙開発」という壮大なミッションを負っていることから、ロケットを飛ばす作業はほんの一部であることがわかります。その前段階には、宇宙探査という膨大で気も遠くなるような時間がまずあり、ロケットを飛ばした後にもデータの検証・次のステップのための仮説構築という調査・研究業務が主体であることがわかりました。

そんなNASAに、一連の業務プロセスを統合管理できるコンピューターシステムなど、存在するのでしょうか?

それとも、調査・研究~開発・製造~運用・保守といったプロセスごとに個別最適化されたコンピューターシステムがまずあって、その裏にプロセス間で必要とされるデータが格納された統合データベースのようなものが存在する形態となっているでしょうか?

あえてこのような質問をさせていただいたのは、事業の根幹を支える基幹システムのことを「コンピューター」の中に留まらせてしまうのではなく、system=制度や体制・手順のように業務プロセス全体を支える”仕組み”として捉えていただきたかったからに他なりません。

小職が知る限り、ほぼ完全にIT化された「基幹システム」は、銀行における「勘定系システム」、ネット通販専業会社における「ECシステム」ぐらいしか思いつきません。

本質的には、国内であればトヨタの「カイゼン」や京セラの「アメーバ」などに代表されるように、コンピューターシステムどころか経営思想とさえ呼べそうなレベルにある概念全体が「基幹システム」と呼ばれるものではないでしょうか。

ぜひ皆さんの所属組織における「基幹システム」や「コア・コンピタンス」を考える際の参考にしていただければ、それに勝る喜びはございません。

念のため、いつもお世話になっているGoogleトレンドで、2004年以降の日本における検索動向を見てみましょう。

基幹系システム, 基幹システム, ERP - 調べる - Google トレンド

“基幹系”と“基幹”という微妙な違いには、まだGoogleのNLP:自然言語処理技術が追いついていない可能性もありそうですが、“ERP”が圧倒していることだけはわかりました。

一方で、“基幹システムの検索結果”はほぼERPの話題に終始してしまっており、「事業の根幹を支える仕組みの再構築」に関するコンサルティング・サービスなどの話題が埋もれてしまっている状況は残念と言わざるを得ないでしょう。

日系企業であるユニリタも、このように曖昧で混同されやすい日本語や短縮アルファベットの使い方には充分配慮しながら、有意義で正しい情報をお伝えできるよう、自社の“コア・コンピタンス”を明らかにして、頭上高く掲げていける存在になりたいと考えております。

ユニリタの Waha! Transformerチームでは、冒頭で示したERP:基幹系システムを取り巻くデータ活用に真正面から向き合い、システム刷新の際に漏れがちな「データ移行のあるあるチェックリスト」を解説するセミナーを定期開催していますので、本記事をご覧いただいたついでのお時間で、リンク先の内容などもチェックしていただければ幸甚の限りです。

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執筆者情報:

ユニリタ Waha! Transformer チーム

株式会社ユニリタ ITイノベーション部

PM・SEに限らず多様な経験・知見を持ったメンバーが、「データ活用」という情報システム部門の一丁目一番地でお役に立つべく集められました。

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