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DX時代の鍵を握る「カスタマーサクセス」とは?

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データやデジタル技術を活用し、ビジネスモデルを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)時代において、改めてカスタマーサクセスの考え方が注目されています。とくにユーザーのサービス利用料が主な収益源となるサブスクリプションサービスでは、既存の顧客を維持するためのカスタマーサクセスが欠かせません。

カスタマーサクセスはなぜ重要なのでしょうか。また、DX時代において、カスタマーサクセスを実現するメリットはなんでしょうか。この記事では、DX時代の鍵を握るカスタマーサクセスの定義やメリット、重要性を解説します。

カスタマーサクセスとは?顧客の成功体験を生み出すこと

カスタマーサクセス(CS)とは、購買プロセスにおいて顧客をサポートすることで、成功体験を生み出すコンセプトです。たとえば、B to Bビジネスの場合、「サービスの導入により、事業の課題を解決できた」「製品を購入することで、業績がアップした」などが、顧客の成功体験にあたります。顧客は成功体験を味わうことで、その製品やサービスをもっと継続して使いたい、より上位のプランにグレードアップしたいと感じるようになります。結果として、企業のブランドに対する顧客ロイヤルティが高まり、顧客生涯価値(LTV)の最大化につながります。

このカスタマーサクセスを数値化した指標として、「ヘルススコア」が使われることがあります。ヘルススコアとは、サービスの使用回数やログイン回数、顧客が目標を達成できた度合い、セミナーなどのイベントへの参加率などのデータを総合的に分析し、顧客がサービスを継続利用する確率を指標化したものです。商品やサービスの売上を最大化するには、ヘルススコアなどの指標を活用し、カスタマーサクセスの実現に向けたアプローチを選ぶ必要があります。

「カスタマーサクセスとは」をわかりやすく解説
カスタマーサクセスが注目される理由、カスタマーサクセスの効果や実践する上で重要なことをご紹介しています。

カスタマーサクセスが登場した背景は?リテンションマーケティングの広がりが一因に

そもそも、なぜカスタマーサクセスという考え方が登場したのでしょうか。カスタマーサクセスが重視されるようになった背景の1つに、リテンションマーケティングの広がりが挙げられます。リテンションマーケティングとは、既存顧客を維持し、離脱を防ぐことで収益を確保するビジネスモデルで、代表例として月額料金制をとる「サブスクリプションサービス」があります。リテンションマーケティングの収益を最大化するには、顧客に商品やサービスをなるべく長く利用してもらうことが大切です。たとえば、サービスの解約率(チャーンレート)をモニタリングし、他社への乗り換えを防ぐ施策が重要になってきます。リテンションマーケティングの一環として、顧客に成功体験を提供し、自社へのロイヤルティを高めるというカスタマーサクセスの考え方が注目されるようになりました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)がカスタマーサクセスの鍵を握る

カスタマーサクセスの鍵を握るのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。DXは経済産業省の定義によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」を意味します。[注1]
カスタマーサクセスの分野でも、データ分析やデジタル技術のサポートが欠かせません。たとえば、顧客が必要とするものを必要なタイミングで提供するためには、顧客の購買履歴やWebサイトの閲覧履歴といった行動データの分析が必要です。コールセンターやコンタクトセンターから顧客データを抽出するCTI(Computer Telephony Integration)や、顧客に紐付いたさまざまなデータを管理できるCRM(Customer Relationship Management)など、カスタマーサクセスを重視する企業の多くが、マーケティングのデジタル化に取り組んでいます。

カスタマーサクセスの実現が重要な3つの理由

カスタマーサクセスの認知度が上がってきている背景には、3つの理由があります。

自社のファンを増やし、競合優位性を獲得できる

商品やサービスを利用した顧客が成功体験を味わうことで、自社のファンとなり、ファンを増やすことができます。SNSやスマホの普及により、顧客が情報を自ら取捨選択するようになり、企業と顧客の関係は大きく変化しました。従来のBtoCビジネスのように、広告や営業活動を通じ企業が一方的に情報を提供するだけでは、顧客との信頼関係は構築できません。カスタマーサクセスの考え方に基づき、顧客が商品やサービスを能動的に利用したくなるような価値や成功体験を提供することで、はじめて競合優位性を獲得できます。

既存顧客の維持よりも新規顧客の獲得のほうがコストがかかる

もう1つは、既存顧客を維持するよりも、新規顧客を獲得するほうがコストがかかるケースが多い点です。顧客獲得に関して、マーケティング業界には「1対5の法則」「5対25の法則」の2つの法則があります。1対5の法則とは、既存顧客を維持するコストを1とすると、新規顧客獲得には5倍のコストが必要だという法則です。また、5対25の法則とは、サービス解約などの顧客離れを5%減らすことで、利益を25%改善できるという法則です。とくに継続的なサービス利用が大切なサブスクリプションモデルでは、顧客に成功体験を提供し、他社サービスへの乗り換えを防ぐリテンション施策が重要になってきます。

サブスクリプションモデルの損益分岐点は契約開始後すぐではない

3つ目の理由として、サブスクリプションモデルの損益分岐点の問題が挙げられます。サブスクリプションサービスは、買い切り型のサービスと違い、主な収益源はサービスの利用料です。サブスクリプションサービスの収益の70%から95%が、ユーザーのサービス利用期間に応じて生まれるともいわれています。しかし、サブスクリプションモデルのローンチ後、売上高が損益分岐点を上回るまでには時間がかかります。サービスによっては、ユーザーの初回契約から元をとるまで2~3年かかるケースも少なくありません。せっかく顧客にサービスを利用してもらっても、契約開始後すぐに顧客離れが起きた場合、ビジネスモデルとしては赤字になってしまいます。サブスクリプションモデルのビジネス展開を考える場合は、カスタマーサクセスを生み出す仕組みづくりに取り組みましょう。

サービスのDX(デジタルトランスフォーメーション)は、カスタマーサクセスを意識することが重要

カスタマーサクセスとは、商品やサービスを利用することで顧客が成功体験を得られるよう、購買プロセスをサポートする考え方です。データ分析やデジタル技術を活用し、ビジネスモデルを変革するDX時代では、カスタマーサクセスの重要性が改めて評価されています。カスタマーサクセスの実現が必要な理由は、「自社のファンを増やす」「新規顧客獲得コストをおさえる」「サブスクリプションモデルの損益分岐点の問題を解決する」の3つです。顧客の成功体験の演出のため、戦略的なデータ分析やターゲティングを行いたい場合は、カスタマーサクセスプラットフォーム「Growwwing(グローウィング)」の導入をぜひ検討ください。


[注1] 経済産業省:「DX 推進指標」とそのガイダンス
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf

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サービス利用を開始した後の顧客との関係性において、サービス提供者が行うカスタマーサクセス活動や考え方がどういったものかを、できるだけわかりやすく解説しています。

目次

  1. カスタマーサクセスとは
  2. カスタマーサクセス登場の背景/重要性
  3. カスタマーサクセス組織の役割・ミッション
  4. カスタマーサクセスマネジメント 3つのポイント

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