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製造業が自社製品を直接売るには?DXを実現しお客様に選ばれるECサイトを構築しましょう

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2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、消費者の行動を大きく変容させました。例えば、インターネットを通じて買い物をするネットショッピングの利用世帯が急増しています。同時に、生産者がECサイトやSNSを介して、自社製品を直接販売するD2C(Direct to Consumer)のビジネスモデルが普及しました。

本記事では、製造業におけるECサイトの活用方法やDXの必要性を解説します。

消費者の変化

感染力の高い新型コロナウイルスが流行し、人との接触を減らす外出自粛が要請された結果、消費者の行動様式は大きく変化しました。消費スタイルの変化の例として、自宅にいながらオンラインで買い物をする「巣ごもり消費」の伸長が挙げられます。[注1]

新型コロナウイルス感染症拡大により、感染症対策として人との接触を減らすことが推奨されていたこと等を背景とし、オンラインでの商品注文・購入、インターネットでの動画視聴などの自宅で消費できる「巣ごもり消費」が伸びており、消費行動に変化が生じている。

クレジットカードの購買データを見ると、むしろコロナ禍の消費支出は全体として縮小しています。特に緊急事態宣言の発令後は、交通・外食・教養・娯楽などのサービスを中心として、消費活動指数が低下しました。[注2]

一方で、大きく伸びているのがECサイトやSNSを通じて買い物をするネットショッピングです。ネットショッピングの利用世帯は、コロナ禍が本格化した2020年3月以降に急増し、2人以上の世帯の過半数に利用経験があることがわかっています。[注1]

環境の変化

こうした巣ごもり消費の伸長により、製造業を取り巻くビジネス環境も変化を迫られつつあります。例えば、「自らが企画・生産した商品を消費者に対して直接販売する」D2C(Direct to Consumer)という販売方式の普及です。[注1]

既存のプラットフォームを利用するのではなく、独自のECサイトを構築し、自社製品を直接販売する製造業者も増えてきました。

D2Cを採用する3つのメリット

D2Cを採用するメリットは3つあります。

  • ネットショッピングの需要増加に対応し、新たな販路を開拓できる
  • 既存顧客とのつながりを強化し、囲い込むことができる
  • 地方の個人や中小事業者でも、大都市の消費者に製品を販売できる

D2Cの戦略は大企業だけでなく、地方企業や中小企業にも効果的です。D2Cの広がりは一過性のものではなく、今後のアフターコロナにおける 産業構造を大きく変化させる可能性もあります。

D2Cの戦略の一つであるECサイトを例にDX化への考え方を解説します。

自社製品を消費者に直接販売するため、ECサイトを構築する製造業者が増えています。しかし、BtoC-EC市場が急速に拡大した結果、ECサイトが乱立し市場競争が激化しているのが現状です。数あるECサイトのなかでお客様に選ばれるためには、最新のITやデジタル技術を駆使する(=DX化)必要があります。

以下3つのステップでDX化を進めてはいかがでしょうか。

ステップ1 デジタイゼーション:実店舗だけでなくインターネットで直接販売できるように

実店舗でやっていたことをインターネットを通じて実現する、また、オンラインを前提とした非対面での販売方式や紙媒体の撤廃など、「アナログ・物理データのデジタルデータ化」を実現することがデジタイゼーションです。[注3]

デジタイゼーションの例1:ECサイトの構築

経済産業省のDXレポートでも、コロナ禍を契機に企業が取り組むアクションとして、「ECサイトの開設」が挙げられています。[注3]ECサイトを活用し、実店舗以外の販売方式を提供することで、コロナ禍による消費スタイルの変化に対応可能です。

顧客に対して自社の製品・サービスの「デジタルの入口」を提供することは、実店舗等による対面での対応の代替となるだけでなく、実店舗では実現できない遠隔地の顧客への接点や、データを活用した製品・サービスへのフィードバック等、さまざまな変革の起点となる。

デジタイゼーションの例2:請求書や発送書類のペーパーレス化

従来の販売方式では、請求書の発行や商品発送の伝票など、さまざまな書類を紙ベースでやりとりしてきました。デジタイゼーションを実現し、請求書や伝票などをペーパーレス化すれば、印刷費や郵送費などのコスト削減や、書類管理の効率化を実現できます。

ステップ2 デジタライゼーション:個別の業務・製造プロセスのデジタル化

デジタイゼーションの次の ステップが、「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」を実現するデジタライゼーションです。製造業の場合、在庫管理システムを利用した在庫状況の見える化や、マーケティング施策をデジタル化するWebマーケティングなどがデジタライゼーションに該当します。

デジタライゼーションの例1:在庫の見える化

デジタライゼーションを実現し、在庫管理システムなどのITを活用すれば、以下のメリットが得られます。特にネットショッピングなどのD2Cを実現する場合、ECサイトと連動した在庫管理システムの導入が必要です。

  • 在庫状況を見える化し、残数を正確に把握できる
  • 在庫を適正な状態に保ち、売上機会損失を防止できる
  • 正確な在庫分析や需要予測により、仕入れ数を最適化できる

デジタライゼーションの例2:顧客の見える化

データを見える化し、業務プロセスを効率化できるのは在庫管理だけではありません。マーケティング施策をデジタル化し、Webを中心に集客や販促をおこなうことをWebマーケティングと呼びます。これまでアナログな手法で収集していた顧客情報や購買履歴をデータ化することで、より効率的な販売分析やマーケティング施策の立案が可能になります。

ステップ3 デジタルトランスフォーメーション(DX):お客様に選ばれるECサイトへ

お客様に選ばれるECサイトを構築するには、データやデジタル技術を活用するだけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が必要です。例えば、AIやビッグデータを活用したパーソナライゼーション(顧客ニーズの最適化)や、受注生産のセルフサービス化など、全社的なデジタル技術の導入が求められます。

DXの例1:AIを活用したパーソナライズドレコメンド

パーソナライズとは、顧客ニーズに寄り添ったサービスを提供し、カスタマーサクセスを実現することを意味します。

パーソナライズの実現には、AIやビッグデータなどの最先端のIT活用が欠かせません。例えば、大手ECプラットフォームに見られるおすすめ商品のレコメンド機能もパーソナライズの一例です。顧客の個人情報や行動履歴などのビッグデータをAIで分析すれば、顧客の嗜好に合わせたおすすめ商品をレコメンドする「パーソナライズドレコメンド」や、似たような購買行動をとっている顧客をグループ化し、よく購入されている商品をレコメンドする「協調フィルタリング」を実現できます。

同時に、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの各営業部門でデータを共有し、顧客一人ひとりのニーズを浮き彫りにしていく全社的な情報共有の仕組みづくりも求められます。そのためには、デジタル技術やデータの活用に長けたIT人材の育成も必要です。

DXの例2:受注生産のためのシステム間連携

受注生産は、顧客の注文を受けてから製品製造を開始する販売方式です。在庫管理のリスクが少ないことや、販売コストを正確に計算できることから、受注生産は事業者側にも大きなメリットがあります。しかし、受注生産は受注・仕入れ・製造・納品などの各部門が緊密に連携しなければ、製品販売までのリードタイムが長くなったり、管理コストが増加したりするリスクがあります。顧客満足度の高い受注生産サービスを実現するには、各部門のシステム間連携が必要不可欠です。

まとめ

コロナ禍の影響を受け、ECサイトなどを利用して買い物をする世帯が増加しました。製造業界でも消費スタイルの変化に対応するための手段として、実店舗ではなく、ECサイトで自社製品を直接販売する企業が増えています。しかし、D2Cというビジネスモデルの広がりにより、ECサイトが乱立しているのが現状です。お客様に選ばれるECサイトを構築するには、最新のIT活用が必要不可欠です。全社的なDXに取り組み、AIやビッグデータを活用したレコメンド や、受注生産を最適化するためのシステム間連携を実現することが大切です。

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この記事は、2022/09/29に投稿した内容を2023/02/01に再編集したものです。

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[注1] 総務省:令和3年版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd121310.html

[注2] 総務省:令和3年版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd121350.html

[注3] 経済産業省:DXレポート2
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_3.pdf

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