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正しい製造業DXの進め方

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目次

1. DXが進まない要因

日本の製造業でDXが進みにくい要因はいくつかあります。外部環境から見ていくと、日本ではビジネスを行う上での規制が厳しく、DXを進める際にそれらの規制環境に適合することが求められ、スピード感を出しにくいということが挙げられます。例えば、むやみにドローンを飛ばすことはできませんし、無線や非接触通信を活用するにも規制があります。工場や物流拠点でロボットを使うには安全性の十分な担保が必要です。管理部門でSaaSを一つ採用するにもセキュリティーを担保するため、たくさんのチェック項目を満たす必要があります。これらのハードルを乗り越えDXを推進するには、多額の投資が必要です。しかし、日本企業は、過去の成功体験に基づいて、従来のビジネスモデルに優先的に投資する傾向があります。既存事業が低迷すると株価にも影響するため、DXに必要な投資に思い切ってシフトすることを躊躇する傾向にあるのかもしれません。

もう一つの要因は社内の人材や文化の観点です。DXの推進には、技術的な専門知識が必要です。しかし、日本ではIT人材が不足しており、特にITをベンダー任せとしてきた企業ではIT活用に経験豊富な人材が少ないため、DXを進めることが困難になっています。また、日本企業には、長年にわたる慣習や習慣があります。それにより、DXに必要な柔軟性やスピード感が損なわれることがあります。前例踏襲が無難と考えるあまり、新しいテクノロジーに取り組む意欲が低く、遅れをとっている可能性があります。

昨今ではDX推進をミッションとする部署を設置している企業は増えてきましたが、その推進者は、思い切った投資はしないが期待だけは大きい経営層と、腰の重い現場との間で板挟みとなり、悩んでいることと思います。

(図版) 理想と現実との間のギャップが大き過ぎる

2.システム先行型アプローチの問題点

世間ではDX推進のためのさまざまなソリューションが普及し始めています。特に大手のIT企業からは、”DX Platform”、”IoT Platform”、”AI Platform” などと、プラットフォーム型でAll in Oneのソリューションが多いように感じます。

(図版) システム先行型の提案が多い

その中でも、”DX Platform”は、デジタル技術を活用してビジネスプロセスを改善するための基盤として非常に有用なツールであり、目指すべき姿にすぐに近づけそうで、魅力的に映るでしょう。しかし、前述のような内情をはらんでいる段階では、これを使いこなせる保証はありません。導入にも長い時間とコストがかかります。現場の業務をプラットフォームに合わせる必要があり、社員の意識改革も必要です。その過程で現場の反発や、DX推進部署の疲弊などを招きかねないため、システム先行型のアプローチには注意が必要です。

3.ユニリタのお勧めするDXの進め方

ユニリタがお勧めするDXの進め方は、現場の社員の意識変革を先行させるアプローチです。DXの本質は従来のビジネスモデルを転換することにあります。そのためには、組織全体がDXの意義を理解し、DXに必要なスキルや成功/失敗事例を学び、試行錯誤しながら身につけていく必要があります。足元の業務の効率化や自動化を自らの手で実現することにより、効果は小さいながらも、社員は自分たちが働く組織に貢献できるという意識を持つようになります。また、自分たちのアイデアや提案が尊重されるようになると、社員のモチベーションが向上し、業務改善の取り組みが活発化します。

業務改善の文化が醸成されてくると、社員は自分たちの業務改善の延長線上に、顧客満足度の向上があることに気づき始めます。自分たちの業務に関する問題点を見つけることと同様に、顧客視点になれば顧客の行動における問題点やニーズに気づくことができます。そのためにデータが足りないと気づけば、顧客接点のデジタル化をもっと進めるべきだと考えるでしょう。

DX推進は成熟度が上がってゆくことで自然にカスタマーサクセス推進につながっていきます。カスタマーサクセス推進についてはここでは割愛しますが、ご関心のある方は以下のサイトよりカスタマーサクセスツール「Growwwing」をご参照ください。

カスタマーサクセス推進サービス「Growwwing」
https://www.growwwing.jp/

このような社員の意識変革を無理なく、段階的に進めていくためには、次のような簡単なロードマップを描き、実践していくとよいでしょう。

(図版) 改善文化を醸成しながら、道具のレベルを上げていくロードマップ

縦軸には改善活動のスコープ、横軸には時間軸をとっています。改善活動のスコープは「部門内の課題」→「部門横断の課題」→「経営課題」へと、徐々に拡げてゆきます。初期段階では自部門にある足元の課題を取り扱い、小さな改善成果を出し続ける訓練を行います。各部署である程度の成果 (または失敗事例) が出てきたら、そのノウハウを部署間で共有・流通させる仕組みを検討しましょう。お互いに実践してきて始めて、他の部署で起きている課題に共感し、助け合ってみようという気持ちが生まれます。部門横断の課題に取り組めば、成果はこれまでよりも大きくなることに気づくでしょう。

こうして組織全体に改善活動が拡がり、文化になりつつあると思えてきた段階で、事業部や本部単位でこの活動を制度化します。経営は自社におけるDXの意義や目指すべき姿を明文化して組織に示しながら、辛抱強く待ちます。DX推進室はDXに必要となる要素技術の教育や支援サービスを提供し、必要に応じて組織間の仲介役や経営とのパイプ役を担います。先に挙げたDX Platformも、この段階までくれば各社員でに目利きができるようになり、採用してもよいタイミングになるでしょう。

4.各種サービスのご紹介

ユニリタでは前述のロードマップの初期段階に役立つ、4つのサービスを提供しています。次にそれらを簡単に紹介いたします。

アナログ情報のデジタル化

DXにあたり紙文化が残っているとすると、それはまず対処すべき課題だと言えます。紙がどんなシーンにおいても悪かと言えば、そうとも言い切れませんが、少なくとも取引先や部署間で定常的に交わされる帳票はペーパーレス化しておかないと、データ活用の推進に対して阻害要因となってしまいます。

「まるっと帳票クラウドサービス」は、ユニリタのエンジニアが、紙帳票が取り交わされている業務プロセスや、そのパターン、レイアウト等の業務要件をお聞きし、ユニリタのクラウド環境でデジタル化を実現し、その後の保守運用までまるっとアウトソースしていただけるサービスです。取引先に対してどうしても紙を郵送せざるを得ない場合でも、印刷・仕分け・封入封緘・郵送をアウトソースし、お客様社内ではデジタル化された帳票を見るだけにすることが可能です。

髪帳票のデジタル化「まるっと帳票クラウドサービス」
https://marutto-chohyo.unirita.co.jp/

情報連携の効率化

情報がデジタル化されているとしても、そこに使われている項目名やコード類がバラバラのままでは、集計や分析がしにくく、やはりデータ活用の阻害要因となります。組織間やシステム間でデータをやり取りする際に、担当者がエクセル関数やマクロを駆使して、重複や不備の排除、文字コードの統一、データの名寄せ、指定フォーマットへの整形を1ステップずつ手作業で行っているようなシーンがあれば、これは典型的な情報連携の課題といえます。

「まるっとデータ変換・加工クラウドサービス」は、ユニリタのエンジニアが、上述のようなデータ連携/変換/加工のプロセスや、そのパターン、レイアウト等の業務要件をお聞きし、ユニリタのクラウド環境で一連の処理を自動化・サービス化し、その後の保守運用までまるっとアウトソースしていただけるサービスです。従来の一連の処理を、その担当者の代わりにユニリタに依頼すれば、同じ品質・同じ結果のアウトプットを返します。”まるっとアウトソース”ではなく、自分達でこの改善スキルを身につけ、運用したいというご要望にも、もちろんご対応できます。

データの連携/変換/加工「まるっとデータ変換・加工サービス」
https://www.unirita.co.jp/solution/marutto/data.html

ノウハウの共有

データが整流化され、必要なデータが蓄積・分析できるようになったとしても、そこから見出された課題に対策するためには人どうしのコミュニケーションが不可欠です。従来のようなメールやそこに添付されたビジネス文書のやり取りだけでは、どうしても形式的でドライな人間関係に留まりがちです。互いの課題に共感し、改善活動を共にするには、その人の人となり、趣味、近況などを知り、より本質的なコミュニケーションを取ることが重要です。

「まるっとコミュニティクラウドサービス」は、特定の業務を共にする部署内外や取引先企業の社員でチームを作り、さまざまなシーンに適切なコミュニケーション手段を提供するWebサービスです。プロフィールの共有、お知らせ、通知、依頼、意見収集、ファイル共有、感謝の気持ちの伝達などの機能を組み合わせて利用できます。社内では他のチームの活動も共有できるため、業務改善の成功/失敗事例の横展開にも寄与します。

組織間コミュニケーションの推進「まるっとコミュニティクラウドサービス」
https://marutto-community.unirita.co.jp/

業務改善サイクルの確立

業務改善の対象は業務プロセスです。改善文化を醸成していく中で、その改善対象となる業務が今どうなっているのか、改善後はどう変わるのかが具体的になっていないと、議論が空中戦になってしまいます。そこで必要となってくるのが、業務プロセスの可視化、業務フロー作成という技術です。業務プロセスが可視化されていれば、DXに向けた現状課題の在処と文脈が明確になり、これがRPAやワークフローツールの導入、ローコード開発ツールによるアプリケーションのアジャイル開発など、IT実装に向けた業務要件定義にとっても重要なインプットとなります。

「業務可視化サービス」は、業務フローの具体的な描き方を知らない方でも、指定のスプレッドシート(業務の棚卸表) を埋めていただくだけで、ユニリタが業務フロー作成を代行するサービスです。作成した業務フローはお客様にレビューしていただきますが、この工程を何回か重ねてゆけば、お客様ご自身でも業務フローを作成・修正してゆけるという感触を掴んでいただけるかと思います。最終的にはご自身で業務プロセスの可視化と業務改善サイクルの運営を、継続的に続けていただけるようにすることが本サービスの狙いです。

また、業務フローはDXの推進状況を社内で共有するための地図になります。現状プロセスがどこまでデジタル化され、どこにはまだ改善の余地が残されているか、組織間で共有し、成功/失敗を横展開しながら、DXを進めることができるようになります。

<図版> 顧客が保有する製品に関する保守の訪問プロセスの業務フロー例

業務プロセスの可視化/改善「Ranabase」
https://lp.ranabase.com/

5.まとめ

<図版> ユニリタは人の和を大切にしたDXを推進します

現場の足元にある課題から小さな効果を生み出し、自分たちでDXの第一歩を踏み出せたという成功体験を積み重ね、社員の意識改革と改善文化の醸成を行いながら、より高い、経営層が求める理想像を目指す、というアプローチについてご紹介しました。各種サービスの詳細のリンク先を改めて下表にまとめておきます。是非ご参照ください。

サービス 詳細はWebサイトをご覧ください
髪帳票のデジタル化
「まるっと帳票クラウドサービス」
https://marutto-chohyo.unirita.co.jp/
データの連携/変換/加工
「まるっとデータ変換・加工サービス」
https://www.unirita.co.jp/solution/marutto/data.html
組織間コミュニケーションの推進
「まるっとコミュニティクラウドサービス」
https://marutto-community.unirita.co.jp/
業務プロセスの可視化/改善
「Ranabase」
https://lp.ranabase.com/
カスタマーサクセス推進サービス
「Growwwing」
https://www.growwwing.jp/
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