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攻めのITとSystem of Engagement(SoE)

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暑い日が続きます。オフィスの空調の温度も寒すぎたり、暑すぎたりと色々ありますが、昔よりもオフィスのコンピュータは小さくなってきているように見受けられます。それにともない電力の消費量も少なくなり、空調の温度もだんだん高くなってきたのではないかと勝手に想像しています。
 
クラウドが進むとますます、この傾向は強くなるでしょう。特に、タブレットやスマホで出来ることが多くなってきた昨今、ノートブックすら、開くことが少なくなって来ました。
 
さて今日は攻めのITについて話を進めましょう。
 

 攻めのITとは?

 
平成27年5月26日、経済産業省と東京証券取引所は「攻めのIT経営銘柄」18社を公開しました。ITをビジネス変革につなげている企業を発表することで、日本企業のIT活用を推進する事を目的としています。
 
経済産業省では、日本のホワイトカラーの生産性が欧米に比べて低いことを問題視しています。一方で工場などでは、ファクトリーオートメーションが進んでおり、高い生産性を実現することができております。今日本企業がやらなけらばならないことは、ITを利用して、ホワイトカラーの生産性を向上させ、そして国際競争力をつけることだと思います。そのことを「攻めのIT」と呼んでいるようです。
 
しかし、この「攻めのIT」とは一体何ででしょうか?どんな形をしているのでしょうか?なかなかわかりにくい言葉ですよね。いかようにも解釈できます。
 
最近、これらに関する様々な言葉が出てきています。
 

System of  Engagement(SoE)

 
例えば、キャズムの著者であるジェフリー・ムーアが提唱しているSystem of Engagement(SoE)(あるいはエンゲージメントシステム)があります。この言葉はGartnerやIBMも使用しておりますが、いろんな解釈があるようです。「SoEとはSNSである」という解釈をされている人がおられたり、「ビッグデータ分析」という人もおられるようですが、本質はなになのかよくわかりません。
 
そこで、原文に戻りジェフリーの文章を読み直してみました。ジェフリーは世界中がSNSによって繋がっている状態を神経システム(Nervous system)にたとえて、企業がこの神経システムにつながらないと、参加者となりえないと言っております。
 
ジェフリーはこの世界中の情報伝達のシステムに参加するシステムのことを、SoEと呼んでいます。
 

Digital Nervous System(DNS)

 
Nervous Systemって何処かで聞いたことないですか?私は、1999年頃にビルゲイツが好んで使っていたDigital Nervous Systemを思い出しました。簡単にいゆうと、あらゆるコンピュータがネットワークでつながれて、速やかに情報が伝達され、必要な情報を使って処理をされ、そしてアクションにつなげる仕組みをいいます。
 
人間の神経系は、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚から拾った情報を瞬時に伝達して、次のアクションをします。嫌なニオイを嗅いだ時には顔をしかめ、美味しい料理を味わった時には笑顔になったりしますよね。その様な状態をシステムとして作ることを考えていたのでしょう。キーポイントは様々な種類の情報をインプットとして、素早いアクションをするということでしょう。
 
SoEは、それを実際に作り出す仕組みと考えてみてはどうでしょうか?ビルゲイツが提唱していたころとの違いは、SNSが発達し、TwitterやFacebookにより様々な情報がはいるようになりました。スマートホンが発達して、その情報に拍車をかけています。IoTが現実のようになりました。テキスト情報だけではなく、センサーの情報なども利用できます。心拍数は?運動しているの?などの情報も簡単に入ってくるようになりました。クラウドが発達してきて、それらの情報を保存することが可能となりました。ビッグデータ解析の方法も変わりました。今まではデータを集計して人間がそのデータを読み取り判断していましたが、今は、コンピュータが判断できるようになりました。例えば、為替取引なども、その時の為替の状況に応じて、自動で行われることもできるようになりました。

 

このように、あらゆる情報を入力として、自社のシステムが、神経系統のように反応してそしてアクションを取ることができるようなIT技術が発達してきたことにより、ビルゲイツが提唱していたことが現実的にできるようになったと捉えてはどうでしょうか?

 
具体的には、公開されているSNS、IoT、株価情報、オープンデータ(人口統計、気候情報、駅の乗降者数)や自社が持っているPOSデータ、ナレッジ等々の情報をつなげて、活用できる仕組みが必要となるでしょう。そして、その情報の交差点がクラウドということになります。SoEは様々なITを駆使して、自社の業績に貢献するという意味では、攻めのITの一つの形であると思います。
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