最近気づいたのですが、帳票の業務に関わる方でも、帳票やプリンタの事って意外と知らない人が多いようで、私が常識と思っていた
・UNIXにはWindowsの様なプリンタドライバが無い
・プリンタ本体の操作で印刷の履歴やステータス情報が印字できる
の様な事項や用語を知らない人が多いようです。
仕事上、帳票の話をする際には、まずはお客様がどの程度帳票の事をご存知なのかを把握して、お客様に合わせた説明が必要ある事をあらためて気づきました。これは帳票の話に限る訳ではありませんが、今まで以上にお客様に判り易く説明する事を心がけたいと考えた次第です。
さて、以前の投稿では「帳票マイグレーション」のお話をしましたが、今回も帳票の作成や移行の時に注意する点を書きたいと思います。帳票って、実は毎年少しずつ変わっていきます。変更の多いお客様では、1年で全体の半分以上の帳票が変更される事があります。税制の変更、法律の変更など外的要因での変更も多いですが、エンドユーザ様からのリクエストによる変更も結構多いです。
従ってシステム構築の際には、カットオーバ後に毎年発生する帳票改定のコストも加味して帳票を設計した方が良いです。特に複雑なロジックや、凝ったレイアウトを作れば作るほど、改定の際の工数も大きくなってしまいます。
現場の担当者の方は、常に凝ったレイアウトを要望されると思います。システム部門がどこまでレイアウトの調整役を出来るかで、後々のメンテナンスコストが大きく変わると言っても良いでしょう。
この問題については決定的な解決方法はありませんが、一つの提案として「帳票設計ガイドライン」を作成する事をお勧めします。ガイドラインに沿って帳票を作成する事で、個人や部門の趣向に偏った帳票の作成をある程度抑制する事が出来ると思います。
帳票設計ガイドラインには
・用紙サイズ
・使用するフォントの種類とポイント数
・罫線の種類や太さ
・網掛けの%
・上下左右の余白
などの基本的な取り決めに加え、帳票を作る段取り(印字調整の仕方)、ロゴの取り扱い、レイアウトの命名規則なども記載しておくと良いです。
【設計ガイドラインの例1】
【設計ガイドラインの例2】
また、様々な要因で帳票設計ガイドライン自体も陳腐化しますので、定期的な更新も定義して帳票設計ガイドラインの改定時期も決めておくと良いでしょう。毎々の帳票作成やレイアウト改定のコストで悩んでいる方は、帳票設計ガイドラインの作成に取り組んでみて下さい。