
カスタマーマーケティングとは?今注目されるカスタマーサクセスとの関係も解説
SaaS企業にとって大切なのは、ユーザーがサービスを継続利用することにあります。そのためには、従来の売り切り型ではなく顧客の定着を目指す必要があります。
今回は顧客の定着を狙ううえで欠かせないオンボーディングとそのポイントを紹介します。
顧客がサービスにどれくらい定着しているかを測り、解約を防ぐためには「オンボーディング」を理解しておきましょう。この言葉は元々、新人研修において用いられていた言葉です。
サービスにおけるオンボーディングとは、ユーザが早くサービスに慣れて継続利用するように導くプロセスを指します。
SaaS業界では顧客を定着させることが、その後の売り上げを左右するほど重要です。そのため、継続して利用してもらうために、オンボーディングによって定着する仕組みを考えていく必要があります。
一方、ユーザーとしても、数ある中から選んだサービスが自分に適しているかどうかを知りたいでしょう。そのため、オンボーディングによって、相互の理解を深めることが大切です。
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オンボーディングを成功させるためのポイントは、
という2つが挙げられます。
顧客がサービス/製品を使用した際に、すぐさまそのメリットや魅力を感じられるということが、オンボーディングにおいては大切です。利用するための操作がわかりにくいサービスでは、顧客が使用を中断してしまう可能性があります。
顧客に、このサービス/製品でしか得られないような体験を提供することもオンボーディング成功のポイントです。
例えば、自社のサービスに複数のプランを用意することで、ユーザが自身に適した体験を経験できるうえに、アップセルを図ることができます。
オンボーディング成功のためには、顧客に自社のサービス/製品の良さを理解してもらう必要があります。そのため、自社のサービス/製品を顧客に売り込んでいくことになりますが、従来の買い切り型のセールスでは意味がありません。
先述のように、オンボーディング成功のためには、自社のサービス/製品だからこその有意義な体験を顧客に提供するのがポイントです。そのためには、自社の営業的な目線だけでなく、顧客の目線、状況に立ったサービス/製品理解が大切です。
オンボーディングにおいては、顧客に目標やスケジュールを明確にしてもらうことが大切です。「このサービスを使っていつまでに何を達成したいか」といったように、目標とそのスケジュールを明確にしておいてもらいましょう。
オンボーディングでは、顧客とのコミュニケーション取っていくことが大切です。
ターゲットとなる顧客に対して、
などをヒアリングし、自社の強みを明確にし、弱みを補完していくようにしましょう。
顧客へアプローチをしてコミュニケーションを図っていく場合、
といったように、3つの顧客層に分けてアプローチするという概念を用いることが一般的です。この層は上から企業に利益をもたらす順ともいえます。
大口顧客とも呼べるハイタッチユーザーの場合、訪問や定期的な定例会、専属の営業担当配置といったように、手厚いサポートを行います。
ロータッチユーザーは、中間にあたるユーザー層です。メールやシステム、必要であれば個別対応といったように、なるべく人的リソースを使わずにアプローチします。
最後にテックタッチは、コストや営業リソースをかけずに、システムやITを通してユーザーへアプローチしていきます。
オンボーディングの目標は顧客を定着させることにありますが、企業は定着後も定期的に顧客をフォローすることを忘れてはいけません。
継続利用していたとしても、急な解約は発生してしまうものです。そのため、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチと3つの層に応じて定期的なフォローを行い、顧客との良好な関係を維持していきましょう。
顧客が自社のサービスを利用し定着しているかを知る指標がCRR(Customer Retention Rate)です。CRRは顧客継続率と呼ばれ、算出するタイミングは業種によって異なりますが、契約がベースとなるビジネスにおいては、月次で算出するようにしましょう。
CRRは、以下のような計算式で算出します。
CRRを算出するためには、CRMの活用が効率的です。CRMは見込み客、既存客に顧客を分け、顧客データを分析・可視化。このデータを基に戦略を立案し、顧客へとアプローチできます。
SaaS企業においては、オンボーディングを成功させることが安定的な収益確保には欠かせません。
そのためには、顧客との関係性を把握し、ハイタッチユーザー、ロータッチユーザー、テックタッチユーザーとそれぞれの層に応じたアプローチが肝心です。
また、顧客定着後も定期的なフォローを心がけ、継続利用を維持していきましょう。
サービス利用を開始した後の顧客との関係性において、サービス提供者が行うカスタマーサクセス活動や考え方がどういったものかを、できるだけわかりやすく解説しています。
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