
データドリブン経営の前提として考えるMVV:ミッション・ビジョン・バリューと戦略・戦術・戦法
前回記事、「SQLデータベースの話(その1) WindowsのSQLite3で正しく日本語を扱う」では、SQLiteのODBCドライバーの話をしましたが、アプリケーション開発の観点から言うと、ODBCでは以下の場所で文字コードを意識することが必要であることがわかりました。
①は、EXEがMBCSアプリケーションであるか、Unicodeアプリケーションであるかによって決まります。
MBCSの場合、シフトJIS(実際には、そのプロセスのロケールによって決定します)
Unicodeアプリケーションの場合はUnicode(Windowsではワイド文字と表現する)になります。
②は、ODBCに指示するバインドバッファの型(SQL C型)がSQL_C_CHARの場合はロケールに沿ったコード、SQL_C_WCHARの場合にはワイド文字になります。
SQLiteはMBCSでのデータはすべてUTF-8という標準的でない動きをするため、シフトJISを期待していたアプリケーションは文字化けしていたわけですが、その他のRDBではこのあたりはどうなっているのでしょうか。
WindowsのMBCSアプリケーションでは、シフトJIS以外の文字コードで獲得してもあまり意味がないのですが、OracleとDb2は環境変数で指定できます。これはUnix/Linux上での動作との互換性のためでしょう。
一方、Windows以外では動作しないSQL Serverでは潔くシフトJIS一択です。
表の黄色い部分は通常の実装と異なる部分です。SQLite3はここまでで説明しました。
よくわからないのはMySQLとPostgreSQLのODBCドライバーが、「ANSI」と「Unicode」の2種類あることですね。
しかし、MySQLとPostgreSQLでは意味が異なるようです。
PostgreSQLでは、Unicodeドライバーを選択するとテーブル構造の取得において、CHAR、VARCHAR等の文字型のカラムはすべてWCHAR、WVARCHARでレポートされるようになります。そのため、テーブルの構造を読んで自動的にクエリを生成するタイプのアプリケーションは、バインドバッファの型がSQL_C_WCHARに設定されることになり、文字化けの可能性が少なくなります。
私が調べたところではそれ以外に違いは見つけられていません。
一方MySQLでは、実装に間違いがあるように思えます。
WindowsのDLLは、関数エントリーにMBCS用とUnicode用の2つを実装している必要があり、これらはVC++のコンパイル時に、自動的に適切な関数にリンクされます。しかし、MySQLではANSI用ドライバにUnicode関数が完全には実装されていないようです。
MBCSアプリはANSIドライバを、UnicodeアプリはUnicodeドライバを選択すればきちんと動作しますが、それ以外の組み合わせでは、文字化けが起こってしまいます。
また、MySQLはODBC設定のDetailsボタン→ConnectionタブのCharacterSetを正しく「cp932」に設定する必要があります。
デフォルトは空白なので、一見正しく動作しているようでも文字化けが発生する可能性がありますので、このオプションは要注意です。
文字コード変換に対する実装の解釈がRDBMSごとに異なるのは迷惑なのですが、それでも一昔前よりはよほど統一されてきました。
文字コード問題は当ブログでもいろいろと話していますが、最近ではUnicode系に統一することで(JavaやWeb系の対応のため、実質的には統一せざるを得ない)文字化け問題はほとんど起きなくなっています。
シフトJISは日本のPC開発の現場で提唱された方式です。
当時は筆者も、WindowsNTがUnicodeを選択することにはずいぶん反発したのですが、ついにVisual Studio 2013では、MBCSアプリケーションのライブラリーがオプションになりました。マイクロソフトの「もうそろそろサポートやめたいんだけど、いい?ダイジョブ?」という声が聞こえてきそうです。
コンピューター業界における「時間(=ハードウェア性能の向上)が解決する」という教訓(?)を実感しますが、ちょっと悔しい気がしてしまうのは筆者だけではないことを祈っています。
SQLデータベースの話(その1) WindowsのSQLite3で正しく日本語を扱う
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