
ビジネスを飛躍させるデータドリブンの力
第4世代言語「4GL」というプログラム言語を1980年度後半に主力製品として販売していた。
当時、COBOLのような手続型の第3世代言語の何倍も開発生産性が高く、バックログ(IT部門が積み残した仕事)を解消できますよ、というのがウリで、これが結構売れていた。プログラマ大量生産時代である。
日本ではあまりそういう発想はなかったが、4GLはプログラマーだけでなく、エンドユーザーもシステムが作れますという思想もあったと思う。そういえば、もうこの頃は暗黒期に入っていたが、日本語プログラミングなんてのもあった。
このエンドユーザー・プログラマー化計画は上手くはいかなかった。
だって当時は商社の営業でもキーボードを打てる人の方が少なかったし、そもそも日常のビジネスの中で、剥き出しだったコンピューターの考え方はあまりに違っていたから。
エンジニア志望で入社した同期の社員は、プログラミング研修中にどうしても「X=X+1」が理解できない、というか、納得できないと言っていた。全然ロジカルじゃないとも。
ほどなくしてWEBの時代になり、PerlやPHPといったスクリプト言語が登場し、WEBデザイナーがこれらを駆使して自分達でWEBページを作り始めた、というのもあったけど。
「SOA:Service-Oriented Architecture」なんて概念が出てきて、プログラムを作らなくても、今ある誰かが作った部品(サービス)を組み合わせてアプリケーションを作れますよ、というのもあったけど。
その前に、「Lotus Notes」というのも流行ったなぁ。
今も昔もコンピューターへの敷居を低くしてプログラマーじゃない「みんな」がコンピューターを使えるようにしよう、というのは変わらない。
でも、本当にそうなったら、今ITエンジニアをやっている人達は何をするのだろう、、、、は昔からのテーマでもある。
花王の情報システム部長からLIXILに転身した小和瀬浩之さん、日経情報ストラテジーのインタビューで、情報システム部門の任務には「3つの柱がある」と言っています。
従来型のIT部門の人達がやっているのは①のみで、その他はこれからスキルを磨いていかないといけない分野。
言い換えると、②データから何かを生み出せる人、③全体最適のビジネスプロセスを描ける人と。
①データプロセッシング分野については、今よりも個々人が相当能力を上げていかないと経営が求めているパフォーマンスは出せないはず。
日本には約40万人のIT従事者がいると言われていますが、②、③をやりたいっていう人、ここに踏み出せる人ってどれくらいいるんだろう?厳しい時代になってきた。
でもね、例えば、ビッグデータ活用一つとっても、何をやりたいか目的がはっきりしていないと答えは出てこないし、これはビジネスオーナーの役割。
また、「風が吹けば桶屋が儲かる」的なシナリオは現場のノウハウそのものだから、やっぱりビジネスを知らないとできない。
じゃあ、ビジネスを知っていれば後はコンピューターが全自動でやってくれるかというとそうでもないことは、ITの人は良く知っていますね。
データ分析が難しいのはここからで、ビジネスシナリオをどういうモデルに当てはめるか、統計的にどう証明するか、それと、データにはノイズはつきもので、特にソーシャルデータやIoTなんて不明確なソースからデータが入ってきた場合、そのノイズリダクションをどうするか、なんてことは、それこそスペシャリストにしかできない、業務とは別のノウハウが要る。
よーく考えれば、やっぱりITの素養を持った人しか貢献できない事って世の中にたくさんあると思う。
とりあえず、企業内ITでは、ビジネスプロセスとデータ活用にどこまで踏み込めるか、かな。
Duke大学のCathy Davidson教授が、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」(*1)と予測しているように、15年後すらよく見えない時代だけど、ビジネスの世界でIT人材は不要にはならいですよ。元気出して行きましょう。
*1:産業競争力会議 雇用・人材・教育WG(第4回)文部科学省提出資料 平成27年2月17日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/koyou/dai4/siryou2.pdf
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