ビジネス課題への解決策(アイディア)と、新たな発想(+α)が見つかるIT情報メディア

Menu
  1. TOP
  2. データ活用
  3. アナログとデジタル

アナログとデジタル

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
先日たまたま見つけたこの本。

 

統計で勝つ麻雀」(著:福地 誠 , みーにん)

 

 
そろそろ社内の各方面からストップがかかりそうな内容ですが、何故これをピックアップしたかというと、内容紹介にあったこの一文。

 

「ネット麻雀天鳳2600万局のビッグデータが導き出した麻雀必勝セオリーがつまった一冊。」

 

出たよ、ビッグデータ!

 

ビッグデータってもうそろそろ死語じゃない? と薄々思いつつも、何だかんだ東京ビッグサイトや幕張メッセのイベントは大盛況。
IoTだ! インメモリだ! NoSQLだ! リアルタイムだ!
僕らもこの領域でご飯を食べているので、真剣に捉えてはいるつもりですが。

 

そんな死語どころか破竹の勢いを保ち続けている「ビッグデータ」がついにこんなところまで進出してきたとは・・・。

 

ところで、麻雀というと、故・阿佐田哲也氏原作で、映画にもなった「麻雀放浪記」のような、タバコの煙が漂う薄暗い部屋で繰り広げられるダーティでピカレスクなゲーム、というイメージがありますが、最近では都内にも「健康マージャン」なるお店なんかも増え、頭の体操としてのゲームだったり、競技としてのゲームといった要素を打ち出し、従来のイメージから脱却しつつあります。

 

他にも、経済評論家の勝間和代さんが麻雀のプロ資格を取得されたり、出版社主催の大会ではサイバーエージェント社長の藤田晋さんが優勝されたりと一部で話題になりました。

 

囲碁や将棋、チェスなどと同様に、麻雀にも定石が色々あります。麻雀の一般的なルールの変化もあり、その定石も他競技と同様に、時代が経つに連れて変化してきています。

 

最近、良く言われるのは「アナログ派」と「デジタル派」。
前者は「ツキ」や「流れ」といった抽象的な要素を重視し、後者はそのような抽象的な要素を排除し、確率や統計といったデータを重視するスタイル。
(※Wikipediaに両方の説明があったので、詳しくはこちらこちらへ。)

 

これだけ書くと、麻雀をしない方からすれば「アナログ派って何それ?」と思うかもしれませんが、恐らく麻雀をしたことがある方々の多数は、負けこんでいるときに「流れが悪い」と口にしたことが何度もあるはず。

 

プロの麻雀打ちの中でも、それぞれのタイプの方がいらっしゃいますが、冒頭に挙げた本の著者である福地誠さんはまさに「デジタル」論者。確率・統計から導き出したデータを元に、従来の定石をぶった切ってきます。

 

ただ、アナログ・デジタル論争はそう簡単には終わりません。

例えばデジタル派が
「○○○の状況では△△△よりも□□□した方が××%有利」
と教えてくれたとしましょう。

 

そうだったのか! 知らなかった! 目からウロコだ!
自分も今度からこうしてみようと心に決め、いざ実践でそのシチューエションに遭遇。

 

「よし、この状況なら△△△よりも□□□だな」
と自分の牌に手をかけ、山に捨てようとしたその瞬間、異変に気づきます。

 

「あれ・・・コイツ、さっきまでビール飲んでやたら喋ってたのに、いつの間にか黙りこくって獲物を狙うような目で俺の手の方を見てるぞ・・・! もしかしてこの牌捨てるのってヤバい?」

 

卓上の牌のやり取りだけではなく、場の雰囲気や他の人の振る舞いの変化に気づき、慌てて手を変え、後で蓋を開けてみると、もしあの時□□□をしていたら自分が致命傷を負っていた、なんてことも良くある話。ただの結果論なのかもしれませんが。
(そもそも、そんな顔に出すなよって話かもしれません。すいません、それ僕です。)

 

元々、デジタル派はネット麻雀の普及に伴って広まったスタイルで、お互いの顔が見えないバーチャルな卓上のみで繰り広げられる世界におけるセオリーですが、4人集まって卓を囲むと、情報の出所は卓上のみに留まりません。それらの情報を、自分の勘や経験に基づいて判断してみると、かならずしも確率通りが正しいとは限らないことも多々あります。

 

「いくら分析したデータを突きつけても、現場は経験と勘を優先する。」

 

これ、一般企業の中でも良く聞く話ですよね。
実際致し方が無いことだと思うんです。
その分析結果はあくまで机上の話じゃないの? って。
当然ソースがある上で導き出したデータだから、任意の条件下においては正しいものですが、現場だからこそ見える抽象化できない条件もたくさんあります。
ビッグデータの肝って、この「雰囲気」とか「振る舞い」といったシチュエーションすらもデータ化して判断の材料に昇華させることだと思っています。既に数値化されているたくさんのデータを集めて新しい数字を作っても、あまりビッグデータっぽくない。
泥臭い下地として存在するスコアリングのノウハウや統計解析の試行錯誤だったりが、それぞれの企業・組織のナレッジとしてとんでもない価値を産むのだと思っています。

 

だから、ビッグデータってもっと崇高な扱いを受けてもいいんじゃないかなと、最近切に思うようになりました。

本当のブームはこれからなのかもしれませんが。

 

※冒頭で紹介した本は、個人的にとても面白かったです。心動じないデジタル派になってみたいです。

メールマガジンの登録はこちらから
メルマガ登録 お問い合わせ