
ビジネスを飛躍させるデータドリブンの力
少し前の話になりますが、Amazonがテレビ番組制作に参入するニュースがありました。
何本かのテレビ番組のパイロット版を100万人以上が視聴し、その人たちの視聴パターン、サイトに投稿されたコメントなどからはじまり、視聴状況、5つ星評価をした視聴者数、SNS等の共有回数などなど、様々なデータからマイニングを行い、「効率的な番組制作」を行うとのこと。
要は、みんなが「おもしろい」って感じて取ったアクションから、おもしろポイントの最大公約数を取り出して、そのエッセンスを組み合わせて番組を作ると。
2001年のベストセラー「『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(東 浩紀):講談社現代新書」の中で、著者が「データベース消費」という言葉を用いていたのを思い出しました。
データベース消費(データベースしょうひ)とは、物語そのものではなくその構成要素が消費の対象となるようなコンテンツの受容のされ方を指す[1]。批評家の東浩紀がゼロ年代初頭に導入した概念。
さすがwikipediaさん。「データベース消費」を一文目でバシっとまとまっていました。
色々な作品の中で、コンテンツの受容者にウケた様々な要素がデータベースのようなものを形成し、そのデータベースにある要素を、あれこれ引っ掻き回して、産み出された「シミュラークル」と呼ばれる形態がコンテンツの主流になるそうで、すでに一部ではそうなっているそうです。
つまり、「萌え系」を愛するオタクの方々は「猫耳」やら「制服」やらといった要素で構成される「萌えデータベース」のシミュラークルを享受しているということ。
(どうでもいいですけど、「萌え」もかなりバズワード化してますよね)
東氏によれば、90年代から始まっていたこの概念が、テクノロジーの進歩を纏って、一気に加速するそうです。
ただ、これでは「他にはない面白さ」が魅力となるコンテンツが減ってしまう可能性もあるのでは?とも思ってしまいます。
ほら、視聴率40%越えだった「半沢直樹」の後釜として放送された「ルーズヴェルト・ゲーム」も同じ原作者によるヒット小説でありながら視聴率は10%台後半な訳ですし(それでも成功の部類にカウントされているとは思いますが)、ましてや「アナと雪の女王」だって、後釜でここまでのヒットは作れないのではないでしょうか。
テクノロジーの進化に伴い、「失敗しない」コンテンツが制作できるようになることは確かにビジネスとしては成功かもしれませんが、ユーザーにイニシアティブを与えすぎることで(ゴマすり、大衆迎合、ポピュリズムに寄りすぎることで)、飽和市場に穴を開けるような目新しい「超おもしろコンテンツ」が失われてしまう可能性もあるのではないでしょうか。
「伊東家の食卓」とかまたやってほしいな。
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